わたしのとっておき

『嵐が丘』

エミリー・ブロンテ/作   河島 弘美/訳

作品概要、あらすじ

エミリー・ブロンテ/作   河島 弘美/訳『嵐が丘』(岩波書店刊)

1

15

エミリー・ブロンテの『嵐が丘』を初めて読んだのは、15才、高校生になってまもなくのころだった。暗いばかりでおもしろいとは全く思わなかった。それが、30才を過ぎたある日、何気なく再読し、のめり込んでしまった。狂うほどただ1人を愛してしまう人間の業(支配欲や身勝手な自己愛とは、まるで異質の)に、生きるということの深淵を覗いた気がしたのだ。人は深い。罪深く、美しい。誰もそうだ。意味のない人生なんて一つもない。
そう信じさせてくれる一冊です。

このところ、自分の日常を退屈だと感じる人に

ふっと、孤独と退屈を感じたとき。人生を見切ったと感じたとき。

小説家

あさの あつこ

青山学院大学文学部卒

1954年岡山県美作市生まれ。青山学院大学卒業。岡山市にて小学校の臨時教諭を勤めたのち、作家デビュー。
「バッテリー」で第35回野間児童文芸賞受賞。
「バッテリー」全6巻で第54回小学館児童出版文化賞受賞。
『たまゆら』で島清恋愛文学賞受賞
著書に「NO.6」「弥勒」「烈風ただなか」「闇医者おゑん秘録帖」シリーズなど多数。