わたしのとっておき
『タイの僧院にて』
青木 保

作品概要、あらすじ
青木保 著『タイの僧院にて』(青土社刊)
私は仏教の国タイで僧修行をした。
僧の一日は、早朝から各戸を巡り歩き、お布施の食物を得る托鉢に始まる。そして227条の厳しい戒律に明け暮れる日々。気鋭の文化人類学者が、タイ・バンコクの僧院で、得度から還俗までの僧修行を実践――。得度の儀礼、僧の義務、僧の日常生活、仏教徒との交流、同僚僧との交友…。知られざる小乗仏教の実態をみずみずしい感性と文章で紡ぎあげる、感動のドキュメント。(青土社webサイトより)
0
タイ僧になって托鉢(たくはつ)から始まった異文化体験を通して、孤独な冒険者として鍛えられ、人間の認識世界が広げられ、他者への理解が深まったと著者はいう。タイの寺院で修行したことは、著者にとっては、「単なる仏教研究のためだけでも、また僧になるだけでもなく」、「タイ仏教を中核とするタイ人の世界への加入と、私自身の生の過程において一つの新しい段階への加入との、二重の意味があったのである」。
高校生・大学生に読んで欲しい
「すべてを放棄して、どこかへ姿を消してしまいたい」「何もかも新天地で出直したい」と感じる時


青山学院大学教授
陳継東
国際政治経済学部

(チン ケイトウ CHEN JIDONG)
東京大学博士(文学)、北京大学講師、武蔵野大学特任准教授を経て現職。
専門分野は中国仏教史、近代日中仏教交流史、近代中国思想。著述には『清末仏教の研究ー楊文会を中心として』(2003)、『小栗栖香頂の清末中国体験 近代日中仏教交流の開端』(2016)、「外来概念的哲学是否中国固有:近代中国知識人的困惑」(2019)、"Rethinking the Taxonomic Category “Sect/School” (Zong 宗) in the Construction of Modern Buddhism in China—Focusing on Hešeri Rushan’s Eight Schools and Two Practices (“Ba-Zong-Er-Xing 八宗二行”)" (2024)。