わたしのとっておき

ミュールマキ教会・光の空間

ユハ・レイヴィスカ/設計(フィンランド)

作品概要、あらすじ

1

3.11の1週間後にフィンランドへの研究旅行を予定していた私は、こんな時に旅行するべきか迷いました。しかし知人の紹介でいくつかの訪問先に受け入れをお願いしていたことから、思い切って出かけました。成田までのアクセスも可能かわからないという状況下、ようやくの思いで着いたヘルシンキで、原発事故の影響を懸念する声を耳にしました。この教会を訪れたのは25日。不安な心が癒されたことが、つい昨日のことのように思い出されます。

どんな方にもおすすめです。できれば一人で静かにこの空間にひたっていただきたいです。

心が弱っているとき、光の存在とその力を感じ、ただただ美しいものに触れることで、生きていることに感謝できます。私が見たのは曇天の優しい光でしたが、次は晴天時に訪れて力強い光も見たいと思っています。

青山学院大学教授

趙 慶姫

コミュニティ人間科学部

東京藝術大学大学院修士課程修了。フリーランスのプロダクトデザイナー、アーティストとして活動。2008年より女子短期大学芸術学科、現代教養学科を経て2021年に大学コミュニティ人間科学部に着任。学部の専門科目ではパブリックアート、環境芸術に関する授業、青山スタンダード科目ではデザイン史や造形理論の授業を担当している。学生時代から一貫して造形活動のテーマは光。ガラスなど透明素材による透過・屈折や、紙や石膏といった白い素材による陰影など、光の表情をとらえる作品制作を行なってきており、現在は陰影の表現として版画に取り組んでいる。今後は、つくること、表現することを生涯学習に取り入れる活動に携わりたいと考えている。