わたしのとっておき
『長い冬休み』
アーサー・ランサム/作 神宮 輝夫/訳
作品概要、あらすじ
アーサー・ランサム/作 神宮 輝夫/訳『長い冬休み』(岩波書店)
冬,湖にやって来たディックとドロシアは,ボートをこぐ6人の子どもたち――ツバメ号,アマゾン号の乗組員――と友達になります.星の観測をするつもりだった冬休みは,イグルー,エスキモーが登場する,そりやスケートの毎日に様変わり! やがて湖全体が凍りはじめ,子どもたちはいよいよ〈北極〉探検に乗り出します.(岩波書店webサイトより)
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中等部の図書室で十二冊のシリーズからタイトルが気になって一番初めに借りました。その時イギリスの若き船乗りたちと知り合い、ずっと最愛の本として読み続けてきました。本作の翻訳者の神宮輝夫先生が顧問をしていた大学の児童文学サークルに入り大切な縁をたくさん築けました。作中で、八人の最高な仲間と共に、雪に閉ざされた湖で、予定よりはるかに長い休みを過ごせます。謎の北極探検に向けて、雪山に登り、そりで滑り、凍った湖をスケートし、屋形船で眠り、最後は予定外の大冒険に。
ちょっと長めの本でもOKな小学校中学年から、イギリスの湖水地方に旅行したい大人まで
休みが短すぎると思った時。好きなことに心ゆくまでひたりたい時。ここではないどこかに行きたい時。
作家、児童文学作家
佐藤 多佳子
青山学院中等部~大学文学部卒
東京生まれ。1989年『サマータイム』でMOE童話大賞を受賞してデビュー。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で1998年産経児童出版文化賞、日本児童文学者協会賞、1999年路傍の石文学賞を受賞、2007年に『一瞬の風になれ』で本屋大賞と吉川英治文学新人賞、2011年『聖夜』で小学館児童出版文科賞、2017年『明るい夜に出かけて』で山本周五郎賞をそれぞれ受賞。ほかの著書に『しゃべれども しゃべれども』『黄色い目の魚』『夏から夏へ』『シロガラス』シリーズなどがある。